職人とのタッグで、品質向上をめざす!
もっともっと魚の魅力を
鈴廣魚肉たんぱく研究所で魚の研究を行っている植木さんは、こうした職人たちが従来感覚をもとに経験を積んできた技術を科学的に分析している研究者である。
かまぼこつくりの現場では、温度や魚の状態、魚肉中の水分含量などさまざまな条件に合わせて、塩を入れるタイミングや擂る時間を調節している「その時々で魚肉の状態の微妙な違いを見分けて、これぐらいだなと言って、晒し肉を絞る強さや擂る条件を変えるんですよ。それを研究室に持ち帰って測定してみると、本当にそのとおりになるのが、またすごい...」。
手がセンサー代わりになっている職人の経験値は、いまの科学を超える正確さを持っているというのだ。彼らが示してくれた条件をスタート地点にすれば、より良いかまぼこつくりの開発速度は一気にあがるだろう。職人とタッグを組んだ新商品の開発も間近だ。
もっともっと魚の魅力を
大学では、マグロなど赤身魚の変色メカニズムについて研究をしていたという植木さん。研究の魅力は、次から次に興味や疑問が湧いてきて、それを一つ一つ解決していくことが面白いのだという。「解決したときのすっきりした気持ちと、この瞬間は世界でオレだけが知っている!という感覚がとても好きですね」と、屈託のない笑顔を見せてくれた。魚肉に関する研究分野は、まだまだ発展途上。世界中には、たくさんの種類の魚がいるけれど、しなやかな弾力を出せる原料魚種はまだまだ少ない。「これからは、もっとたくさんの魚を使ってみたいんです。彼らが住んでいる海の深さや水温といった環境によっても、使い方によってもまったく違う性質を示すので、その魚に合った条件を見つけ出し、世の中にいる魚の新しい使い道を探していきたいですね」。魚肉の魅力を知る研究者たちは、これからも大海原から可能性を見つけ、世界へとつながる新たな潮流を作り出していくだろう。
次の研究者は??
植木さんから、東京大学の渡部終五先生を紹介してもらいました!水温と魚の関係とは?次なる魚の研究者に会いにいきます!
→「℃」をめぐる魚と研究者のものがたり
次の研究者は??
植木さんから、東京大学の渡部終五先生を紹介してもらいました!水温と魚の関係とは?次なる魚の研究者に会いにいきます!
→「℃」をめぐる魚と研究者のものがたり
植木暢彦
- 株式会社鈴廣蒲鉾本店 魚肉たんぱく研究所 所長補佐
- 2005年、東京大学大学院農学生命科学研究科 水圏生物科学専攻 博士課程修了 博士(農学)
- 2008年より現職。現在は練り製品の品質向上・安定化に関する研究、魚肉ペプチドの機能性に関する研究を行っている。




